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  • 執筆者の写真ふじおかんたろう

3月。武器について


3月は3つの演劇のワークショップに参加した。

そして、自身でもとある企画からフライヤーのワークショップを行った。

結論から言うと、もうしばらくは演劇のワークショップは自分で行おうと思った。

僕はフライヤーのワークショップで、さいご、高校生に

今やりたいことをするために「20」の武器が必要だとして

現状「3」しかできることがないならその「3」でデザインを仕上げろと言った。

正直、僕は5年もデザインをやって、デザインに使える武器を、おそらく「10」ぐらいしかもっていない。少なく見積もって武器とよべるデザインの技術が「100」あるとしたらだ。

たとえば、デザインの専門学校に行けば、「30」ぐらいの武器は手に入るのだろうと思う。

けれど、デザインを生業にできるかどうかは、武器の数ではない。生意気なことを言うと、僕は「30」武器がある専門学生と「10」の武器だけで五分に戦う自信がある。単純に武器の数は関係ない。

極端に言えば、「1」あればデザインを仕上げることは可能だと思う。

必要に迫られれば、武器は勝手に増えるし、シビアにベストを出そうと考えると、現状の持ち駒に勝手に目がいく。結果、いまあるもので100%までもっていくことになる。

工夫の親は不便だと思う。

武器がなくて不便だから、工夫してなんとかがんばるしかないのだ。

さて

何、ナマ言ってんだ

って話だが

いいのだ。

僕にとって、デザイン稼業は副産物である。多分、向いているんだろうけれど、今それを生涯の生業にしたいとは、とても思えない。だから、僕はデザインに関してはかなり自分勝手に言うことができる。求められることで武器を少しづつ増やしながら結果的に続いているビギナーズラックみたいなつもりである。僕がデザインの周辺のものごとにもともと興味があったというだけのことだと思う。

フライヤーワークショップでの僕の反省は、高校生たちの手足をもっと早いうちに切ってやればよかったと思うこと。「20」本手足を使いたいと思うから混乱し焦り、迷いの森に入ってしまうのだが、はじめから「3」本しか使うことが許されていなければ、もっと早い段階で思考が明快になる。快刀乱麻。

いろいろなことがつながりあってきている。

最近は、デザインで思ったことを、俳優としての仕事に逆輸入しようと思っている。

ここで演劇のワークショップに話をもどす。

(そもそも話しはじめてないか)

もう俳優としての武器をもらう時期は過ぎたのだなと思った。

ワークショップを受けて、たくさんの武器(芝居の手助けになる考え方や実戦方法)はもらった。それはそれとして使い道はあるけれど、あらためて思ったのは、その武器を使わなくても自分がこれまで使ってきた武器で、同じゴールにたどり着けるという実感。自分自身が大きく変容する体験はできなかった。

いくら武器の展示会に参加したって、実戦で使わなければしょうがない。

「いま」という時間の綱渡りを相手役としたい。

僕はとにかくいま演劇でその体験がしたい。

その綱渡りのための、補助道具をいくらもらったってしょうがない。

綱渡りそのものをしたいのだ。

俳優として、いろいろな現場でもらった自分を支える理論(武器)はいくつか常に背中に背負っているけれど、それでも極力背負う時は少なめに背負ってきたつもりだ。あまりしょうと身動きが取りづらくなる。また、いっぱい武器をもらっても、もはや半分ぐらいは用途が似通っていて、メーカーの違う電化製品みたいに、ひとつを使い込めばなんとかなるよって話になってくる。

自分が知らない何かの方法がまだあるのではないかと思っていたけれど、もうそういうのはいいやと思った。武器のご教授はもういい。ご教授をありがたがるのもいやだ。

そもそも僕はご教授が嫌で演劇の学校を避けて学生演劇を選んだのだ。

いまある武器で戦おう。

「いや、それ、この武器じゃなくてもできることじゃん。っていうか、まだまだいま持ってる武器で戦えてないのに、他のメーカーの似た武器いじってどうする」というような。

当然、期間が短いワークショップばかりだったので、その武器を体感することがあまりできず、たくさんの武器の軽い試し打ち、あるいは誰かが体験しているのを見ることばかりであったからなんとも言えない部分はある。それぞれのワークショップの内容へ文句を言うつもりはない。誰かにとってのエポックメイキングになってもおかしくはないものばかりであったと思う。

念のため。天才ではない限り、最小限の武器は必要だと、僕は思っている。(そして、自身を天才かどうかと鑑みた時点で、その人はおそらく天才ではないし、また天才ではないが、いろいろと無自覚でなんとかなる場合は、その人の周りの人が優秀であるのだと僕は思っている)

ん、なんの話だ?

ええと

まあ

とにかく、僕は試し打ちはもういいや。と、そう思った。

武器の収集家になる気もさらさらないし、もともとコレクションするということに興味があまりない。

ひとつしか武器を持っていないのに最高な俳優はいる。

人様からお金と時間をいただいてやる方が経験になる。

そして、いまある武器の練習ならともだちとできる。

来月からちょくちょくやってみようと思う。

3月は山ほどいろいろなことがあった気がするけれど、ひとまずこれまで!

みなさん。春です!ごきげんよう!


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