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  • 執筆者の写真ふじおかんたろう

無茶祭2023 その2 『セイムタイム、ネクストイヤー』終演。

12月21日〜24日本番の、

藤尾勘太郎 無茶祭2023 その2『セイムタイム、ネクストイヤー』が最後まで終わりました。ご感想まとめはこちら





長くなってしまったので、目次を用意しました。

気になるところだけでも、のぞいていただけますとハッピーでございます。


1 ひとまずの感想 
2 無茶メンバーありがとう 
3 初演出について




ひとまずの感想としては、


「無事終わったああああああ!!!!!!!」


です。


これまで、無茶祭を4度開催して、どの企画もそれなりに(だって「無茶」だから)大変だったのですが、演劇公演の企画は、僕にとってなんというか、規格外と言いますか、いまだに「よく走り切った自分!」と思います。

無茶祭をする時はいつも、たくさんの方に助けていただき、感謝の念が尽きません。

今回も感謝しきりで、それは本当に、相変わらずなのですが、今まで以上に、本当に、我ながらよく頑張ったねと自分を労いたい気持ちになりました。

なんというか、人生MAXレベルで、本当によく走り切った、と思うのです。

こんな気持ちになるなんて想像していませんでした。


11月の頭からゆっくりと稽古がはじまり、僕にとって、たくさんの山や谷がありました。

緊張したり、他者の目を気にしたり、プレッシャーに潰されそうになったり、帰り道自転車を漕ぎながら危険な精神状態になったり、稽古前にトイレに篭りたくなったり、苛烈なタスクの量にてんやわんやしたり、確実に胃腸に来てることを実感したり、徹夜で流石に体力がゼロになったり、睡眠時間は途中から死守したけれど、稽古終盤に襲いかかる小道具と舞台美術の作業、常に並走し続ける演出と出演と広報。


僕にとってきっと集団創作を率いることは「こわい」ことの連続だろうと思ってはいました。だからこその無茶なのですが。


自分の中の「こわい」が溜まると僕は定期的に「藤尾はこわがっています」と、稽古場のみんなに伝えました。計4回ぐらいはそんな話をみんなの前でしました。稽古最終日には、そのことを伝えた上で、『「藤尾は素敵だよ。大丈夫だよ。」と言っほしい』とみんなに伝えて、その言葉を言ってもらって僕がジタバタ悶絶するといった時間もありました。


本来、自分ではなく、座組のみんなのコンディションに気を配るのが主宰・演出の務めとも思ったりするのですが、今回は「無茶祭」だし、まず私がコンディションを整えないと、座組への旗振りができなくなるし(俳優としての出演もあるし)、自分から率先して「助けて〜〜」と言うことが、集団にとっても良い効果をもたらすのではと思い、そんなことを繰り返しながら創作しておりました。






千秋楽が終わって、最後、解散する前に、私はみんなに


本当に、企画してよかった!!!!!


と、伝えました。


本当に本当に、そう思います。


僕が健康でないと公演が成り立たないけれど、やることはいつまでも山積みで、とにかく走り続けました。無事みんな健康に完走できた。ああ、よかった。


公演を打つことの目的は、無茶をすることの目的は一つではなく、いくつかあるわけですが、僕は今回の無茶を終えて、ちゃんと自分を祝福できた心地がして、それはとっても大事なことだと思っています。願わくばこの企画に参加してくれた全ての方、ご観劇してくださったみなさまにも祝福とワクワクの輪が広まっているならば嬉しいのです。


ものづくりをして、自分は疲弊して心もボロボロだけれどみんなが満足ならそれでいい、そんなつくり方を私はしたくないし、私が最後に責任を取れるのは私のワクワクや幸福でしかないし、他者のワクワクや幸福は他者の課題であるし。



だから、改めてもう一度、


ああ、企画してよかった!!!がんばった!!!!!


まずは、そう自分を誇り、労い、祝福してあげたいと思います。



そして、そう思えることは、関わって下さったすべての方のおかげで、


無茶に関わってくださった皆様、ご観劇くださった皆様、本当にありがとうございました。









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たくさんたくさん助けていただきました。

以下敬称略でお送りいたします。



宣伝写真・舞台写真:保坂萌

いつも、無茶のはじまりは保坂の写真からはじまります。いつもありがとう。保坂と仲良くなりはじめたのも思えば5年前?の無茶がきっかけだったような気がする。今回、稽古序盤に早くも僕の心がぐずぐずになった時に、たくさん話を聞いてくれてありがとう。あの時間はとっても大きかったです。これからもよろしくです。また遊ぼう。


風通しの良い稽古場のための助っ人:宮本晶子

稽古序盤で、晶子ちゃんにファシリテートしてもらいながら、みんなで話した時間、僕はとても安心して色々なことを話すことができました。懐の広さと経験、こぼれ球も拾って優しく的確に場に投げ返してくれる能力。人柄ももちろんのこと、その技術は他者の自由を拡張してくれるのだなあと思いました。ありがとうございました。


宣伝動画:つかてつお

すご〜〜〜〜〜く素敵な動画をありがとうございました!撮影の前に宣伝動画のイメージ案をもらった段階から、その発想に感動したし、その後、僕の希望もうまく盛り込んでいただき、とってもときめく動画が完成しましたね!!本当にありがとう。たくさんのお仕事が、これを機にてつの元にやってきますように。


音楽の助っ人:ホリユウキ

僕の選曲のアドバイザーとして関わっていただきました。たくさんのアドバイスをありがとう!一緒に深夜にあーだこーだ話した時間が楽しかったし、僕が選んだ曲に対して、ホリくんからのGOサインをもらえたこと、多分ホリくんが思っている以上に、僕は背中を押してもらえました。関わってくれてありがとう!!


稽古場の助っ人:西川康太郎

稽古の中盤、ずっと稽古場にいてくれて、たくさんのアイデアやお芝居の実践をしていただきました。康太郎さんの「楽しませ力」ってやっぱりずば抜けてるな〜と思いました。みんなに愛されて頼りにされる力。あと、康太郎さんはやっぱり「うまい」よ!それはすごいこと。康太郎さんのジョージも、フル尺で見たいものなあ。またゆっくり会いましょうね。


音響助っ人:高見駿

音響の専門家がいない中での、当日の音響のオペレーター。SEも含めると当初の想定よりたくさんのことをお願いすることになってしまい、ご負担をおかけしてしまったけれど、常にその場にいることを楽しんでそこにいて、参加し続けてくれて本当にありがとう。一緒に家系ラーメンを食べたあの夜は、僕にとってとても大事な時間になりました。


照明:松本永

無茶の1回目から、参加していただいている永さん。久しぶりのご一緒でしたが、今回もマジカルな灯りをありがとうございました。僕にとって永さんは魔法使いです。今回の企画・作品を永さんがとても楽しんでくれて、僕はとても嬉しく安心したし、ああ一緒にやれてよかったと思ったのです。本番前のアップも一緒にできて楽しかったなあ〜。


翻訳:小林春世

とっても素敵な、今回のための新訳でリーディング公演ができたこと、すごくすごく大きなことでした。作品のユーモラスさをストレートに表してくれた春世の新訳、内外ともに大好評でした。そして、翻訳家が稽古場に来てくれること、原文と照らし合わせながら解釈を進められることの贅沢さを知りました。春世に公演も楽しんでもらえて幸せでした僕は。


23日のご案内出演:帯金ゆかり

1日だけのご案内役としてのご参加。稽古時間も限られている中、とっても素敵な本番を共に歩んでくださりありがとうございました!帯金さんの明るさが、座組をさらに前に進め、よりつなげてくれたように思うし、短い時間で帯金さんが座組全員から愛される様子が僕は嬉しくてたまりませんでした。帯金ゆかりは素敵!


出演:豊田可奈子

かなちゃん。たくさんの優しさと真っすぐさを座組に、作品に注ぎ続けてくれてありがとう。ドリスのキャラクターがひとつずつ体に染み込んでいくように、変容し挑戦し続けるかなちゃんが素敵でした。チャーミングでした。かなちゃんがいてくれたことで、咲いた花がたくさんあるのです。またきっとどこかで共演しましょうね。


出演:奥田努

奥田さん、途中からの合流にも関わらず、どしどしと作品の山を共に登り続けて下さり、可愛らしいジョージを、ありがとうございました!稽古場での即興「高校生のジョージくん」が遠い昔のことのようですが、まだ3週間も経っていないことに驚きます。頼もしく可愛らしく人間くさい奥田さんが今回の座組にいること、僕はとてもしあわせでした。

出演:内田靖子

やっちゃん。やわらかくぶれない知性と感性で、真っすぐに向き合い続けてくれて、共に無茶の山を登り続けてくれてありがとう。無茶をする上で、「自由」とはなんだろうと、自ら何かを選び選択し行動し続けることの大切さについて、やっちゃんと創作しながら僕はそんなことに思いを馳せたりしました。たくさんのプレゼントをありがとう。


制作:三國谷花

無茶の実現に欠かせない花ちゃん。いつも動き出しが遅い私の背中を押してくれます。今回は本番の途中からピンクのもこもこを着て受付をしてもらいまして、とっても似合っておりまして、私は花ちゃんの書く文字が好きでして、この文字を書ける人だから安心して、自分の世界観を預けられる、そんな気持ちがあるのです。いつもありがとう。





無茶の助っ人:赤刎千久子、石井理加、井上裕朗、今井夢子、小川じょうじ、喫茶8月、輝蕗、日下諭、佐々木夕貴、中島早紀、西峰正人、松本しゃこ

たくさんの方に、お手伝いしていただきました。おかげさまで最後まで無事走り切ることができました。


裕朗さん、赤刎さん、石井さん、まさとさん、きろちゃん、仕込みのお手伝いありがとうございました。赤刎さん、石井さん、壁の波ダンボールの追加依頼をして、結局全部ボツにしてすみません、けれど、おかげさまで「扉だけ波段ボールの向きを変える」というベストチョイスに辿り着くことができました。まさとさん、謎のプリンターの不機嫌との格闘、ありがとうございました!謎の現象でしたが、無事に印刷できて本当によかったです。


石井さんとまさとさん、さきさんには小道具の段ボール制作も手伝っていただき、ありがとうございました!!段ボール工作中に、「磁石作戦が思った以上に使える!!!」と分かった時、作業場に小さな革命が起きたような喜びがありました。

さきさんは、藤尾の作業ドキュメンタリー動画まで作成していただき、なんということでしょう。とっても素敵なあたたかい動画をありがとうございます!

石井さんの作業参加notoもとってもありがたく嬉しく。


きろちゃん、藤尾の運転補助をありがとう。自分で運転できるようになったことは機動力が上がってよかったのだけれど、結果的に「自分でできることがまた増えてしまったジレンマ」が生まれました。ハイエース無事・無事故よかったあ。美術についても、相談に乗ってくれてありがとうね。


舞台美術の4つのスツールは、私が普段通っている「喫茶8月」さんからお借りしました。(代わりに期間中、我が家の椅子を交換でお渡ししました。)正直、最高のスツールでした。この舞台美術のために存在するのではと思うほどにハマっていました。心からありがとうございます。


そのほか、細かいトラブル対応に随時当たって下さった、K'sスタジオオーナーの日下さん、照明仕込み(バラシ)来て下さった佐々木ちゃん、しゃこさん。小道具を貸してくれた夢ちゃん(演出の方向性的に最終的には、、飾るだけになってしまったけれど!)。工作お手伝いの時に、体調崩されて参加はできなかったけれど、名乗りを上げてくれたじょーじ!ありがとう。


そして、膨大な作業を手伝ってくれたキャスト・スタッフの皆様に改めて、感謝を。

ありがとうございました。


そしてそして、師走のお忙しい時期に、ご観劇くださったお客様。気にかけて下さった皆様。本当にありがとうございます。お客様がいてはじめて完成する演劇です。心より感謝申し上げます。







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初演出について


僕は、稽古中盤から、「自分にできること」になんて限りがある、座組のみんなの力を借りて、この作品をつくろう!と考えるようになりました。

だから、変な話、「藤尾の演出作品」って感じにならなくて構わないと思っていました。


けれど、終わってみると、なんだか「藤尾の香りがする気がする作品」がお客様の前に広がっていました。


これは、とても、不思議な感覚でした。


段ボールで小道具を作るアイデアは稽古中に閃いたものです。


気づけば、随分とかわいい世界が完成していました。






僕は、自分がこんなにも空間や視覚表現にこだわりがあるのかと、

照明の永さんに「世界観がとても素敵」というようなことを言ってもらい、

はじめて気づきました。

演出手として、あくまで自分がときめく方向に舵を切り続けていただけだったので、全然気づいていませんでした。


こんな雰囲気のリーディング公演になると自分でも想像していなかったというか、必要に迫られて気づけばこうなっていたというか。


無茶をすることの面白みは、こういうところにあるよなと思ったりします。

自分でも「まさか」と思うような場所へ辿り着けること。







僕、空間にこだわりあるんだな、、そして、悪くないかもしれないな。

そんな風な発見がありました。

友人に話すと「(藤尾にこだわりは)あるに決まってるだろ、何を今更」と言われました。

でも、僕にとっては発見だったのです。


正直、俳優同士のやり取りがあれば、美術や小道具は二の次と思っていて、今回のK'sスタジオはそのまま使用すると、ちょっと発表会感が出てしまうなと思ったので、必要に迫られて建て込んだという感じでした。(だから、完全な真っ白い箱(空間)だったら何も建て込まないで、椅子だけでもいいぐらいの気持ちでいました。


そして、「あ〜、どんな空間や雰囲気の作品にするのかも演出の領分なのだよなあ」と、当たり前のことに、後から気付かされました。あ〜自分だから今回のこの作品ができたと言ってもいいのかと、本番がはじまる頃に思いました。


とはいえ、ここに辿り着いた全てが、稽古場で起こったこと話したことから生まれていて、集まってくれたみんなには感謝しかありません。何気ない瞬間の他愛無い会話から生まれた演出プランも多々ありました。


リーディングとして、どういう形式で表現するのか、視線はどうするのか、本の扱いをどうするのか、モノの扱いについて。結果的に、リーディング形式だからできた演出ができて、私はとても嬉しいです。



作品として、登る山は、辿り着きたい場所はまだまだ先にはありました。

けれど、演劇を作っていて、そんな気持ちいつだって永遠にあるし、私は、やっぱり、それでも、満足しています。


ああ、やってよかったと思っています。

関わって下さった、すべての方を誇らしく思い、自分自身を誇らしく思います。

関わってくださること、そのことをとてもとても嬉しく思います。


この手作りの世界の中で、ジョージとドリスの25年間を楽しんでいただけたならば、幸いです。



ひとまず、「藤尾勘太郎の無茶祭2023 その2」は、おしまいです。終わってからというもの毎朝『無茶セイムタイム』の夢を見ます。







来年の3月にまだ仕事が残っています。

「藤尾勘太郎の無茶祭2023 その3」です。


作・演出への挑戦です。


また、おそろしい企画を残しているものだと思います。


少しだけ頭も体も心もポッカリと掃除して、次へ向かいます。




改めまして、

無茶祭2023 その2『セイムタイム、ネクストイヤー』

おしまい!!!


ありがとうございました!!!!!!




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