一人芝居ミュージカル、通称ひとみゅー終えました。
あたたかい座組みの皆様に感謝です。
とくに企画、作曲、演奏、出演の伊藤靖浩、演出の薛珠麗さん、快く藤田嗣治を生んでくださった脚本の詩森ろばさんに深く感謝いたします。
そして、ご覧いただきましたお客様。ともにつくっていただきありがとうございました。
ほんとうにはじめてづくしの今回。
とても思い入れのつよい作品となりました。
僕にとってはじめての、実在した芸術家の役ということもあるかもしれません。藤田先輩からたくさん助けてもらいました。変な話ですね。役に助けてもらうって。そのあたり、近い時代を生きた人物を演じる面白さがあります。
僕みたいな人間がどうあがいたって、藤田嗣治にはたどり着けるわけがない。彼が味わった喜びや絶頂、苦悩、怒り、絶望、恍惚。たどり着けやしないけれど、少しでも藤田に近づいてやろうと少しでも追いついてやろうと駆けた1ヶ月でした。わずか1ヶ月!
藤田の外面だけ演じてもしょうがないし、「似てたね」とか言われるために芝居するわけではない、しかしかといって彼の軽妙さ、軽佻さシニカルさを抜きに内面の葛藤だけを抽出しても、それは果たして藤田足り得るのだろうか、そんな行ったり来たりを繰り返しながら。藤田先輩に時折手を引っ張ってもらいながら。
ああ、楽しかった。
どうにも「終わったー!」って感じがないのは一人芝居だからかもしれません。だって身ひとつあれば、いまだって(とりあえずは)できちゃうわけだから。 「これで、この役ともサヨナラか」みないな心地は1mmもないので、さっさといつか続きをやりたい。 まだまだ、身体の中でボコボコ沸騰しているものがある。悔しいも嬉しいも同時にあるんですよ。
書きたいことは尽きないけれど、このぐらいで。
はじまったばかり。
僕も藤田も。
さいごに、伊藤靖浩は不思議な縁の友人です。 不思議な縁に感謝します。