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  • 執筆者の写真ふじおかんたろう

散歩の効用


散歩を増やそうと思う。

もともと歩くことは好きなのだが、

最近は、歩くこと、散歩することの効用について思う。

散歩することは、瞑想することに近い。

散歩することは、小旅行だ。

散歩することは、故郷を思い出すことだ。

何も目的ももたずに歩き出す。景色を眺める。河をただ眺める。河を眺めている人はあまりいない。空の色をみて、よってくる虫に少し身を引く。すずめが飛び立っていく。

僕の故郷のことを思う。

公演が終わってから意図的に、だらだらと過ごしている。お金がたいへんなことになりそうだけれど、今はしゃにむに働くことより、散歩していた方がいい気がする。

自然を愛するのは老人だけではない。

河や空ばかり眺めていると、「どうしたあいつは、疲れてるのか」と思われるかも知れない。「芝居終わって、癒しタイムなのか」と思われるかもしれない。

簡単に何かをくくってしまうのは楽だけれど、河を眺めるのに明るいも暗いもない。

「癒し」という言葉が着せられているいかがわしさ。

散歩することは必ずしも癒しではない。

散歩することはデモに参加することにも似ている。

散歩することはダムの放流にも似ている。

何を言っているのか。


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