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執筆者の写真ふじおかんたろう

今仕事を引き受ける時に

随分、ブログを更新していなかった。半年ぶり。


正直何を書いたらいいか分からんという気持ちだったのが大きい。


この半年で、舞台の仕事がふたつ延期になり、あるかも知れなかった舞台もひとつ延期になり(なんなら1月には緊急入院で途中降板し)まだ今年、僕が完走した舞台はひとつだけ。今のところ来年まで舞台の予定はない。尚、来年は今のところ4作品、舞台出演の予定がある。(極端だ。)そろそろ舞台やりてえなあと思いつつ、まあそんなに焦らずにこういう時期はこういう時期として楽しもうと思っている。

日々の演劇筋トレ的なことはしたいなと思っているので、する。

誰か一緒にしましょう。


引越し後の生活も落ち着いてきたし、少しのんびりしながらとりあえず、デザインの仕事をして生きている。



さて、表題の仕事の話。



最近になって、演劇のデザインの仕事を引き受ける時に、しばらくは、依頼団体がどんな感染症対策をとる予定なのか毎度確認をすることにしてみた。(あれ、聞かれてねえなあって方は、まだ僕がそれを始めてなかっただけです。)


これをわざわざ聞くことに僕は少し勇気が必要だった。

その勇気と聞く理由について。


理由は、ただただ、公演に関わる座組の一員として知っておきたいということ。



先日、ひっさしぶりに、誘われてお芝居を観に行った。

その演劇でも、もちろん感染症対策はしていた。どこまでやれば完璧もないけれど、していた。ただ、僕はその公演に対して、率直に言うと「僕はこの公演に(役者としてもデザイナーとしても)参加したくない」と思った。一番は感染症対策というより、今お芝居をやることへの哲学が見えなかったからだ。あるいはその哲学が僕には合わなかったからだ。杜撰に感じた。言い方はきついけれど、僕はそこに加担したくない。

僕のその日のiphoneのメモには「お客さんは創作衝動の吐口じゃない」と書いてある。大それたお題目を掲げて演劇をしろという訳ではもちろんない。「今、観にきてくれるお客さんに対しての向き合い方ってものがあるでしょうよ。」と思っただけだ。



役者として作品に関わる時は、当人が稽古場に「集まる」必要があるから、対策の説明を欲するのは「普通」だし、企画団体も自ら説明することが多いのではないかと思う。(というか必須だと思う)


一方、宣伝美術の仕事は、今なら打ち合わせはzoomで済むし、一度も直接会わずに仕事を終えることができる。油断すると、ギャランティとスケジュールさえクリアーなら簡単に仕事を引き受けられてしまう。


でも、今、それってどうなんだ?と


もちろんどの団体も感染症対策をでき得る限りやっていると信じているし、この時期にお客さんに劇場に足を運んでもらうことへの責任や覚悟、そこに対しての誠実な向き合い方をするだろうと信じてはいる。


けれど、僕は信じるだけで、結局は全貌を何も知らない。


宣伝美術はお客さんを劇場に「集める」のが仕事のひとつ。

「どうぞどうぞ〜こんな感じで楽しいですよ〜」と触れて回るのが僕の仕事。


その旗振り役が、肝心の劇場が安全かどうか、どんな哲学を持って演劇の上演が行われるのか全く知らないというのはどうなんだ?そう思った。

人を「集めて」おいて、蓋を開けたら、想像と全然違うなんてあとの祭。



例えばこれが、演劇のジャンルや作り方の話であれば、基本的には僕は何も言わずにお受けする。僕の役者としての芝居の好みと関係なく、愛情を持って寄り添って仕事を引き受ける。違いに寄り添う。


ただ、今この時期、それが感染症対策の話となると、「そこはそれぞれの団体のやり方があると思うので、僕は知りません」でいいのか?いや、だめだ。僕は知りたいな。知るだけでいい。

そう思った。


というか、僕は先の体験で言えば、感染症対策より、もっと哲学を知りたいのかも知れないのだけれど、「お引き受けするに当たって、あなたの哲学を教えてください」と言ってもちょっとよく分からないし、僕もどう判断したらいいか分からない、から、そこは相手を信じる、あるいは、僕の直感を信じる。

僕の、この「宣伝美術屋さんとして、どうやったら能動的に責任のある仕事ができるのか」について、むしろ、依頼主とこういう関係を築けばいいんじゃないというアイデアがあるならぜひ聞きたい。参考にしたい。


もしかしたら、感染症対策をどうするのか聞いても、どの団体も似たり寄ったりっだったり、それだけ聞いてもそんなに意味はないのかも知れない。

けれど、知らないより、知っていたい。

感染症対策について確認することは、聞く側にとっても伝える側にとっても全く心躍ることではないし、面倒なことだ。でも僕は、とりあえずの方法として、その都度、感染症対策について聞く、知るということが、今僕の思いつく誠実さであり、一番具体的な策なのです。旗振り役が、お客さんと同じタイミングで、対策の内容を知るというのは遅いと思うのです。自戒を込めて。




うまく伝えられないと、僕が依頼団体の誠意や想像力を疑っているように受け取られかねないし、時に、「神経質なデザイナーだな」とか、「ちょっとだけ面倒だな」とか思われかねない。いや、後者は知らない。僕は僕の信じることをする。


「このハードルを越えてくれないと、仕事は受けません」とかそういうつもり(感覚)ではない。演劇人として、演劇がより元気になればいいなと思っている。演劇人として僕なりに演劇を応援したい。最終的には、ただそれだけのつもり。


全セクションに対して、作品への参加依頼をする際に(しばらくは)公演概要と一緒に感染症対策の概要も付けてくれるのが演劇界の習慣になればいいのになと思っている。




まあ、とりあえず、今後しばらくはこんな感じでやっていこうかなと思っております、という表明であり、今はこんなこと考えてますっていう経過報告でした。


まだまだ仮設の考えですので、

「ここに木を足したらいいよ」とか「ここに屋根あるといいよ」とかあったら、教えてほしいです〜。



最後の急な敬語。




塩分と水!!とりまっしょ!!!


ではまた。




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